2007 Fiscal Year Annual Research Report

中国における回族の宗族と海外移住-福建泉州丁氏と山東溜川蒲氏を手がかりに

Research Project

Project/Area Number	17510204
Research Institution	Kobe University
Principal Investigator	王柯 Kobe University, 大学院・国際文化学研究科, 教授 (80283852)
Keywords	回族 / 宗族 / 族譜 / 慣習 / ネットワーク
Research Abstract	1、中国の上海市、浙江省、北京市を訪れ、上海大学、浙江大学、中央民族大学、中国国家図書舘、浙江図書館中国社会科学院民族学人類学研究所図書館が所蔵する資料を調査し、いままで公開されていない族譜を大量に入手した。特に強調すべきは、山東省の済南市の回族コミュニティー、?博市?川区洪山鎮蒲家荘、莪荘における蒲氏宗族に対する実地調査中、新しい「蒲氏族譜」の編集に携わる人々に対して数日の追跡調査とインタビューを行い、人々の宗族に対する考え、そして南方との北方の宗族との違いについて深い認識を得ることができた。 2、科研の成果を生かし、2007年に農山漁村文化協会から『「天下」を目指して--中国多民族国家の歩み』を出版し、学芸誌『環』(藤原書店)において「東アジアにおける「歴史の和解」と「民族」思想の超越」(2008年第1号)「清国ムスリム公使の日中外交」(上)(2008年第2号)を発表した。これらの著作において、中国のムスリムが東アジアの国際社会における活躍を分析し、中国ムスリムの独特の歴史と現状、そしてそのイスラーム的素養によって、一般の中国国民、とりわけ漢民族の人々よりも国際的な視野を持ちやすいという結論を出している。