2007 Fiscal Year Annual Research Report
クラーラ・ツェトキーンの女性解放思想のジェンダー視点での再考
Project/Area Number |
17510224
|
Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
伊藤 セツ Showa Women's University, 生活機構研究科, 教授 (60073558)
|
Keywords | クラーラ・ツェトキーン / 女性解放 / ジェンダー / 思想史 / 国際女性運動 / ローザ・ルクセンブルク財団 / ドイツ・プロレタリア文学・芸術評論 / 女性運動 |
Research Abstract |
1 クラーラ・ツェトキーンの政治的交友関係と重要政治理論の比較のため,平成19年4月1-2日に日本で開催された(ローザ・ルクセンブルク財団主催:於中央大学)第15回ローザ・ルクセンブルク国際会議に参加した.2 平成18年度の作業を引き継ぎ,2年間に入手した資料中,個人的手紙の翻訳・考察を行い,クラーラ・ツェトキーンと,次男コスチャ&ナジャ・ツェトキーン夫妻の文通に関するものを本学の紀要に発表した.コスチャとナジャの家族関係の発表は日本では始めてのものと思う.3 ベルリンで平成19年7月6-7に開催された「生誕150年記念クラーラ・ツェトキーン・コロッキウム」に参加し,「クラーラ・ツェトキーンの女性解放論:単なる賞賛ではなく,利用でもなく,あるがままの評価を」という題で報告し,ドイツ語の雑誌に掲載された.その際,ビルケンヴェーダーのクラーラ・ツェトキーン・ハウスでの記念行事にも参加し,クラーラの今日的評価を知る材料を得た.コロッキウムについては『学苑』にも報告した.4.クラーラの重要な発言領域として,文学・文化・芸術領域の論説をまとめ,『女性文化研究叢書第6集女性文化と文学』(平成20年3月御茶の水書房から刊行)に,「クラーラ・ツェトキーンの文学・芸術評論」として分担執筆した.クラーラ・ツェトキーンの1911年の「芸術とプロレタリアート」の翻訳の要約も含めた.5.第3年度の研究成果を,平成19年12月の女性文化研究所定例研究会で報告し,平成20年3月発行の同研究所ワーキング・ペーパーに,「クラーラ・ツェトキーン新研究第3報」(34ページ)としてまとめた.6.さらに,平成20年度がクラーラ・ツェトキーンの没後75年であることに鑑み,(研究ノート)「クラーラ・ツェトキーンの東方・イスラム・非資本主義圏の捕捉」を,紀要に掲載して,晩年の理論をさぐる準備をした.
|