2006 Fiscal Year Annual Research Report
女性の身体をめぐる政策形成過程・政策推進過程の研究
Project/Area Number |
17510229
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
中山 まき子 同志社女子大学, 現代社会学部, 教授 (90253236)
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Keywords | ジェンダー / 身体 / 政策形成 / 暴力 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は次の通りである。 (1)聞き取り調査および資料収集 自治体調査:1)千葉県へのヒヤリングと資料収集、2)徳島県へのヒヤリングと資料収集法制化に関わった人物:内閣府男女共同参画議員および暴力等検討部会委員へのヒヤリング これら聞き取り調査の内容は全て文字化し、時系列の年表、項目/内容別に資料整理した。 調査から、自治体千葉県の、女性に対する暴力防止への取り組み(人員数、人員の配置と専門性、施設整備、複数の取り組みマニュアルの作成、司法/警察/医療/そのた諸機能との連携、ほか)は、極めて先進的で、被害者最優先の取り組みを実施していることを確認した。そこで現在、この先進性がなぜ構築/維持されてきたのか、その要因を分析している。 (2)2006〜7年現在、「配偶者からの暴力防止及び被害者の保護に関する法律」の第2回見直しと法律の改正が進められている。そこで、法律改正に向けた様々な政府やNGOの諸動向、パブリックコメント等についての資料を収集した。同時に全国各地の自治体で暴力防止に関する基本計画が策定されているので、本研究が対象としている3つの自治体だけでなく、全国で策定されている基本計画を可能な限り収集し、データベース化を行いはじめている(大型メモリーおよび複合型印刷機を購入・活用)。 (3)業績としては、1970年代から2000年にわたる、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ政策」と「女性に対する暴力の根絶政策」との関係と接合、及び概念の変遷について文献整理を行い報告書にまとめることができた。 (なお本年度は、複数自治体に対する聞き取り調査を充実させる計画をたてていた。しかし、本務授業総数の多さ-全13種-とその準備/評価等に思いのほか時間を費やし、予定した聞き取り調査量をこなすことができなかった。)
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