2007 Fiscal Year Annual Research Report
女性の身体をめぐる政策形成過程・政策推進過程の研究-暴力の防止に関する政策を対象として-
Project/Area Number |
17510229
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
中山 まき子 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 現代社会学部, 教授 (90253236)
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Keywords | ジェンダー / 身体 / 政策形成 / 暴力 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は次の通りである。 1)DV防止法は平成19年7月の通常国会で、第2回目の改正が審議,制定.され,平成20年1月11日から施行された。主な改正内容は「保護命令制度の充実、市町村が基本計画を策定することの努力義務化、市町村で適切な施設を相談支援センターとすること」などで、この改正の経緯、改正内容と限界、改正に尽力した議員、NGO等に関する諸資料を収集し、推移全体と推進力となった具体について整理・分析した。第2回改正に際しては、全国の民間女性たちが活発に改正に尽力していた。 2)法を改正する推進力の一つとなった事件、「徳島県・吉野川事件」(DVを受けた妻と子どもが保護命令期間中に、夫依頼による興信所調査で、妻子の居住地が突き止められ、子どもの眼前で妻が夫に殺害された事件)に関し、可能な限りの状況把握や現地資料の収集を行い、現行法の限界、とくに保護命令に永久性がない点、被害者を支援する団体・個人に対する心身の保護規定が定められていない点、子どもに対するサポートシステムの不十分さ等、及び改正に必要な諸要素を分析した。 3)アジア圏のDV関連法の一つとして、フィリピン共和国の調査を同時進行的に進めてきたので、フィリピン共和国でDV法推進のために作成されているさまざまな「トレーニング・マニュアル、トレーニング・モジュール、バフォーマンス・スタンダード」を収集、検討した。また日本で作成きれているトレーニング・マニュアル(主に千葉県)との比較作業を行うための基礎項目作りを開始した。
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Research Products
(2 results)