2006 Fiscal Year Annual Research Report
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17520021
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| Research Institution | Oita University |
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Principal Investigator |
黒川 勲 大分大学, 教育福祉科学部, 助教授 (20264319)
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| Keywords | スピノザ / コナトゥス / 現実的本質 / 形相的本質 / 延長の属性 / 自然哲学 |
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| Research Abstract |
交付申請書の「研究の目的・研究計画」に対応した研究実績の概要は以下の通りである。
1.ブルーノ,カンパネラ等のルネサンス期の自然哲学に関する西洋近世哲学関係図書などの資料の入手と分析を引き続き行い,ブルーノに関しては著作『原因・原理・一者について』における「原因」の把握を正確・緻密に解析している。
2.スアレスにおける「実体的形相(forma substantialis)」,ヘーレボールト『Meletemata philosophica』における「原因」に関する該当箇所の翻訳を行った。
3.スピノザのコナトゥスの位置付けを体系的に把握するために,存在論的に「属性」自体から研究を行うとともに,認識論的に「想像力」との関連及びコナトゥスの現実性の問題に取り組んだ。その成果として,スピノザのコナトゥスは哲学体系の基盤であるとの確認をし,「力の現象」としてのスピノザ哲学の特徴を明確にしえた。
デカルトの物体的世界とスピノザの物体的世界の構成に関する比較については,上記「力の現象」としてのスピノザ哲学との理解を視点に今後取りまとめを行う。
4.こうした研究の過程において,スピノザのコナトゥス論形成において,17世紀科学革命の運動が直接・間接に影響を与えているとの着想を得た。それにともない,スピノザに'自然哲学的著作である「虹」及び「確率」に関する論文についても分析を開始している。
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