2005 Fiscal Year Annual Research Report
パーリ語およびタイ語写本による東南アジア撰述仏典の研究
Project/Area Number |
17520046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
畝部 俊也 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (10362211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 留理子 財団法人東方研究会, 研究員 (60280658)
加藤 久美子 名古屋大学, 大学院文学研究科, 助教授 (80252203)
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Keywords | 仏教学 / 貝葉写本 / Pannasajataka / Phra Malai / タイ写本 |
Research Abstract |
本年度は、初年度であるので、まず基礎資料と研究環境の整備、および、研究の基礎方針の確定を行った。 『パンニャーサ・ジャータカ』に関しては、東方研究会研究員同茨田通俊氏を研究代表者とする科研費による研究プロジェクト主催の研究会に研究代表者が三度に渡って参加し、協力・分担関係を確立した。我々のグループが、三話について、そのローマ字転写テキストならびに校訂作業を担当することを確定した。 我々が主催する研究会も行ったが、特に7月には、名古屋大学にFragile Palm LeavesのPeter Skilling博士を講師に招いて、パーリ語写本ワークショップを開催し、そこで得られた知見を活かして、茨田氏の主催する研究会において、ローマ字転写テキスト作成、ならびに校訂の方針の作定に当たった。 また、先行する諸研究からの資料の引き継ぎや複写を行い、さらに、タイで著された入手困難な『パンニャーサ・ジャータカ』部分校訂本も入手し、基礎資料に関してはほぼ整備することができた。 ロンドンにおける9月の国際仏教学会への参加し、多くの研究者と意見交換を行ったが、『プラ・マライ』や他のタイ写本(「コーイ」と呼ばれる種類の紙に書かれた写本類)に関しては、大英図書館に所蔵される多くの同種の紙折り写本の調査を行った。また、オックスフォード大のボードリアン図書館も訪問し、資料複写を依頼した。これらのタイ写本研究に関しては、他にも、EFFEOのジャクリーン・フィリオザ研究員からの協力も得ることができ、多くの文献情報を提供していただき、意見交換も行った。初年度の成果として、当該研究遂行のために重要な、研究者間の国際的ネットワークを構築できたことが挙げられる。また、名古屋覚王山日泰寺所蔵の『プラ・マライ』写本の再調査も行い、同種の写本の国内の所蔵情報についても調査を行った。
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Research Products
(3 results)