2006 Fiscal Year Annual Research Report
パーリ語およびタイ語写本による東南アジア撰述仏典の研究
Project/Area Number |
17520046
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
畝部 俊也 名古屋大学, 文学研究科, 助教授 (10362211)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 留理子 財団法人東方研究会, 研究員 (60280658)
加藤 久美子 名古屋大学, 文学研究科, 助教授 (80252203)
|
Keywords | 仏教学 / 貝葉写本 / Pannasajataka / Phra Malai / タイ写本 / Pathamasambodhi |
Research Abstract |
本年度の研究成果として、まず『パンニャーサ・ジャータカ』に関しては、東方研究会研究員同茨田通俊氏の科研費による研究プロジェクトに研究代表者が参加し、ローマ字転写テキスト作成の方針を確定した。そして、それに基づき、名古屋大学において三話のローマナイズ転写を作成し、Journal of the School of Letters, Nagoya University 3, 2007において公表した。平成19年2月に、バンコク、シャム・ソサエティにおいて、EFFEOのジャクリーン・フィリオザ研究員ならびにピーター・メースフィールド教授とテキスト校訂方法をめぐって意見交換をし、続く校訂作業、翻訳研究の準備を進めた。一部に関しては既にその作業を開始している。 『プラ・マライ』に関しては、国立民族学博物館所蔵写本のコピーを入手し、また18年9月、19年2月の横浜のアジア民族造形文化研究所調査により、さらにもう一本の写本を入手した。2月のタイ調査においては、現地の貴重な資料をフィリオザ研究員および現地留学中の名古屋大学大学院川口洋史氏の協力により収集し、次年度以降の文献学的研究の資料はほぼ整えることができた。 『パタマ・サンボーディ』およびその図像表象に関しては、2月のタイ調査によって、寺院壁画の撮影などを含む、相当量の資料収集を遂行できた。これに基づき、東方研究会田辺和子研究員と共同で、シンポジウム「仏教美術史・考古学と仏教文献学の出会い」(平成19年2月23日、於創価大学)において「タイの写本挿絵・寺院壁画に描かれる仏伝より」と題する研究発表を行った。 なお、研究分担者加藤久美子、佐久間留理子は、『プラ・マライ』タイ語テキストの文献学的、図像学的研究に着手するとともに、平成19年2月から3月にかけて、加藤は北〜東北タイの上記資料をめぐる現地の現状の調査、佐久間は西インドを中心に、東南アジアの宗教美術の源泉に関する調査を行った。
|
Research Products
(2 results)