2005 Fiscal Year Annual Research Report
許状授与システムと組織形成から見た近世芸能的宗教者の世界
Project/Area Number |
17520060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
林 淳 愛知学院大学, 文学部, 教授 (90156456)
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Keywords | 芸能的宗教者 / 朝幕関係 / 身分的周縁 / 国家神道 / 本所編成論 / 顕密仏教 |
Research Abstract |
1、近世の宗教史、民俗学を専門する研究者を集めて、2回の研究会を開催することができた。第1回目では、研究代表者の林、梅田千尋氏が発表し、陰陽師研究についての現状と問題点について議論を行った。第2回目では、西田かほる氏が信濃の芸能的宗教者の形態、中野洋平氏が神事舞太夫と神子について発表をして、史料と分析について議論した。発表・議論から導かれた点は、以下のとおりである。(1)それぞれの芸能的宗教者の編成の時期段階論と、地域性の問題をいかに考えるのか。(2)最近の研究が問題にしている朝幕関係論、身分的周縁論では、個々の芸能的宗教者の編成の問題は解き明かせないこと。(3)神職、陰陽師の編成は比較可能だが、修験者については本山派、当山派のよる編成論だけでは把握できない。つまり顕密仏教の寺院や霊山との歴史的関係、そこにおける身分制度を組み込む必要性がある。(4)施設を持つ宗教者と、施設を持たない宗教者との違いをいかに考えるか。 2、研究代表者の論文集が刊行された。収録論文は科研以前に書かれたものだが、まえがき、終章は、科研による研究会での議論、調査研究をふまえて書いたものである。そこでは、幕府の宗教者政策だけではなく、藩権力による宗教者政策を考慮すべきことを提唱している。 3、近世から近代をいかに展望するのかという課題が残されている。民衆宗教論では、近世の民衆的動向が、近代の新宗教、教派神道に連続していく面が追跡可能であるが、本所編成論では、その点が曖昧である。近代の国家神道研究と、近世の本所編成論の関係を、史料の裏づけと宗教史的枠組みで把握する必要がある。
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Research Products
(3 results)