2006 Fiscal Year Annual Research Report
許状授与システムと組織形成から見た近世芸能的宗教者の世界
Project/Area Number |
17520060
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
林 淳 愛知学院大学, 文学部, 教授 (90156456)
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Keywords | 芸能的宗教者 / 御師 / 暦師 / 陰陽師 / 神子 |
Research Abstract |
1、日本史研究者、宗教学者を集めて、研究会を2回、開催することができた。7月には、幡鎌-弘氏「寛文期における吉田家の執奏・裁許をめぐる問題」、遠藤潤氏「近世の「御師」をめぐる諸問題の整理-比較の試み-」、1月には、神田より子氏「「羽黒山神子職之由来」をめぐって」、林淳「神田氏の神子研究から学ぶこと」の発表があった。幡鎌氏は、吉田神道は萩原家、吉川惟足にも分け持たれて、寛文五年以前には吉田家が独自のシステムをつくれなかったことを指摘した。この発表では、吉田家の位階執奏は、神道裁許状の授与とは異なることも確認された。遠藤氏は、中世における熊野御師と、近世の富士御師、白山御師との比較を行い、近世の御師が本山・本所との関係を有し、対立や権威依存があることを指摘した。大社、霊山ごとに御師が活動、機能がどのように違うのかが議論となった。神田氏は、東北地方に広がった神子の数量的な多さと、社会的なニーズのひろがりを指摘した。林は、神田氏の労作の研究を評価しつつ、地域別に比較検討する必要を感じた。林は、芸能的宗教者の技能・知識の伝授がどのように行われているかを比較すべきことを提言した。 2、北海道における白川家の進出について関係文献をあつめて、北海道の開拓地で、神主の果たす役割を考えた。また愛知県の津島神社の史料を閲覧して、津島御師の活動を再構成し、津島信仰の興隆の背後に、津島御師の日常活動があることを確かめた。暦と陰陽道の関係について整理して、『天文方と陰陽道』として刊行した。
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Research Products
(2 results)