2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520080
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
百橋 明穂 神戸大学, 文学部, 教授 (30090377)
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Keywords | 壁画 / 古墳 / 高松塚 / キトラ / 高句麗 / 古代 / 正倉院 / 唐代陵墓 |
Research Abstract |
・今年度は日本では、高松塚古墳壁画にとっても、キトラ古墳壁画にとっても、議論の多い年であった。キトラ古墳壁画ははぎ取りが行われ、公開された。また高松塚は解体が決まり、いよいよその最後の段階に入っている。そのような折、これまでの日本における壁画研究を総括する最終の機会と考えて、各研究者に依頼して総合的な研究とするべく、とりまとめた。 ・そのためには中国などの事例研究は欠かせない。2006年9月には中国甘粛省・青海省・寧夏回族自治区の遺跡を調査し、また蘭州大学敦煌研究所では、講演会を行い、研究者と意見交流を実施した。中国の壁画保存の現状と課題を理解しながら、日本の壁画保存を考える手がかりとする. ・日本遺跡学会でのシンポジウムや大阪府文化財センター主催のシンポジウムなどで、中国の壁画と日本の古墳壁画の歴史的な相違やそれによる保存の現状の課題を研究し発表した。 ・古代絵画の特質や保を考える上で、もっとも重要な作画機構や画材・材質の研究は欠かせない。日本の場合、正倉院宝物があり、古代の実作例が多い。正倉院宝物に見る古代絵画の、殊に東アジアにおける位置づけを行った。ことに古代絵画に用いられた顔料の研究は基本であり、実例のほか、正倉院文書に見いだされる大量の絵画関係文書を整理して、古代絵画の作画過程を分析した。
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Research Products
(4 results)