2005 Fiscal Year Annual Research Report
北陸における説話画の研究-その機能と展示の変遷および現代に生きる意味-
Project/Area Number |
17520084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
原口 志津子 富山県立大学, 工学部, 助教授 (40208666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 昌子 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (00285173)
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Keywords | 展示 / コレクション / 宝物 / 絵解き / 勧進 / 説話イメージ |
Research Abstract |
初年度にあたる本年度の研究は、調査に主眼をおき、下記の目程で、富山県南砺波市・城端別院善徳寺の虫干法会、同市・井波別院瑞泉寺の太子伝会における宝物展示の実態調査、善徳寺所蔵書画の悉皆調査、勝興寺の所蔵書画および工芸品の部分調査、研究会を行った。 1.6月20日 於・金沢美術工芸大学 研究会の組織 研究目的の確認調査の打ち合わせ 2.7月25日 第1回実地調査/ 富山県南砺市(旧・東礪波郡城端町)城端別院・善徳寺の虫干法会 同市(旧・東礪波郡井波町)井波別院・瑞泉寺の太子伝会の実態調査 3.7月29日 第2回実地調査/富山県高岡市・勝興寺の所蔵品調査 4.8月6日 第3回実地調査/富山市(旧・婦負郡八尾町)・本法寺の風入法要の実態調査 5.9月26日・27日・28日 第4回実地調査/南砺市・善徳寺所蔵書画悉皆調査(1) 6.11月3日 第5回実地調査/高岡市・勝興寺の本堂修復記念展の見学-宝物形成の実態調査 7.12月12目・13日・19目・20日・21日 第6回実地調査/南砺市・善徳寺所蔵書画悉皆調査(2) 8.2006年3月22日 於・金沢美術工芸大学美術工芸研究所今年度研究成果の発表 今年度の成果としては、原口は論文「江戸時代における瀟湘八景の作例紹介」における瀟湘八景図の受容の考察を通じて、勝興寺のコレクション形成の画期についての知見を深めた。また、善徳寺の所蔵書画のデータをデータベース化した。太田は、論文「花鳥の居場所」において考察した西本願寺書院における複合的イメージづけによる格差の可視化システムが、北陸寺社にいかに展開しかつ変容したかについての知見を深めた。次年度以降、これらの基礎的調査の成果をもとに、寺社において説話イメージがどのように使われたか、従来の単眼的説話画研究にとどまらない成果をあげうると考える。
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Research Products
(4 results)