2007 Fiscal Year Annual Research Report
GHQ占領下時代のCCD(民間検閲支隊)による検閲に関する研究
Project/Area Number |
17520116
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩崎 文人 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (70098705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 研介 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20033508)
宇吹 暁 広島女学院大学, 生活科学部, 教授 (10110462)
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Keywords | GHQ / CCD / 検閲 / プランゲ文庫 / 原爆文学 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の最終年度に当たるので、以下に記す2冊の冊子をまとめとして刊行した(うち、2の冊子は3月末日刊行予定)。 1.「ヒロシマはどのように描かれ、どのように語られたか-GHQ/SCAP占領下の原爆表現-」。本冊子はプランゲ文庫所蔵の広島県雑誌481誌すべてを取り上げ「原子爆弾」「原爆]「ピカドン」「ピカ」「アトム」「原子沙漠」「焼野原(ヒロシマと推定できるもの)」「焼跡(同右)」「8月6日」「ヒロシマ」の語を含む文章(ヒロシマ言説)をすべて抽出し、ヒロシマがどのように描かれ、どのように語られたかについて考察したものである。結果として、ヒロシマ言説は全313カ所あり、その内検閲の指摘を受けたもの(傍線、棒線、V印などによるチェック)は21カ所であった。21カ所の内、A-bomb,disastrous scene by bombなど、英文注記のなされているものは、9カ所であった。 2.「続GHQ/CCD(民間検閲支隊)による検閲の実態-プランゲ文庫広島県雑誌255誌の場合-」。本冊子は、すでに公にしている「GHQ/CCD(民間検閲支隊)による検閲の実態-プランゲ文庫広島県雑誌226誌の場合-」に継ぐもので、これによって、広島県雑誌481誌すべての検閲カ所の調査を終えることになる。 1.2を通して言えることは、従来言われていた原爆・ヒロシマ言説に対して検閲が特に厳しかったという物言いは必ずしも真実ではない、と言うことである。2が帰納するのは、検閲は、ヒロシマ言説よりもむしろ、天皇制、ナショナリズム、政治システム、米国・進駐軍などに関する言説に、より厳格でナーバスであったという事実である。
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Research Products
(2 results)