2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17520123
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Aichi Prefectural University |
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Principal Investigator |
中根 千絵 愛知県立大学, 文学部, 助教授 (80326131)
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| Keywords | 今昔物語集 / 本文 / 享受史 |
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| Research Abstract |
今年度は、未紹介本今昔物語集の紙焼き写真を購入し、一巻から四巻まで旧日本古典文学大系今昔物語集、新日本古典文学大系今昔物語集の解説と頭注を基に諸本との比較を行った。比較の結果について、コンピュータにうちこみ、わかりやすく表にまとめる作業を行った。試行錯誤の結果、できあがった巻一の表について論文の形で公表した。未紹介本今昔物語集に形態上、最も近いと思われる内閣文庫本Bを所持する東京国立公文書館に行き、現物を熟覧し、必要な部分について紙焼き写真を手に入れた。奥書などについて、これまで活字で見てきたものと相違がないか確認を行った。未紹介本今昔物語集の発見について学会発表を行った。発表の場でのご教示により、未紹介本今昔物語集に押された印が青山文庫のものであることが判明した。青山文庫と彦根藩学問所との関係が課題の一つとして浮上した。これらの作業を通して、未紹介本今昔物語集は、全体として流布本の形態をとるものの、巻一に限っていえば、細かい表現上の位置づけとしては、古態本と流布本の中間に位置するものであることが明らかとなった。岩瀬文庫本今昔物語集を所持する西尾市岩瀬文庫に行き、熟覧の上、紙焼き写真を購入した。また、蓬左文庫本今昔物語集を所持する名古屋市蓬左文庫に行き、紙焼き写真を購入した。未紹介本今昔物語集との比較を巻一について調査した。どのように、コンピュータに打ち込み、整理するか試行錯誤を重ねているところであるが、未紹介本今昔物語集と岩瀬文庫本今昔物語集とは漢字の使い方などの表現が比較的近い関係にあることが判明した。
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