2005 Fiscal Year Annual Research Report
寺社縁起形成を視点とした慈円法楽百首群についての基礎的研究
Project/Area Number |
17520124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
石川 一 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (80193283)
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Keywords | 拾玉集 / 諸社法楽百首群 / 釈教 / 法楽意図 / 愚管抄 / 承久の乱 / 懐成親王 / 九條頼経 |
Research Abstract |
本研究は、慈円の諸社法楽百首群を中心に作品内容を分析するためのもので、選出された歌題についての基礎的考察、寺社縁起に関する資料整理さらに法楽歌の和歌表現など、多くの課題が残されている。 慈円の諸社法楽百首群には形態を異にする個別の伝本の他、『拾玉集』各系統本に収録された作品が存在する。しかし、この内、文集百首(北野社法楽)・法華要文百首(石清水八幡宮法楽)についての基礎的考察がほぼ完了しているので、それ以外の法楽作品の作業を進めることができる。 1年目にあたる今年度は、寺社縁起の形成過程を体系的に考究することを目的として、寺社縁起に関する資料整理に焦点を絞って、和歌内容の分析・検討に関する準備作業を進めている。特に難波百首(四天王寺法楽)・四季題百首(伊勢神宮法楽)を中心として収集作業を進めることにした。関係諸機関に所蔵の諸伝本を博捜し、できるだけ遺漏の無いように心掛けた。その一方で、関係書籍の調査収集にも意を払い、寺社縁起に関する基礎的な知識を広めることに腐心した。 まだまだ基礎的研究は決して充分とは言えないが、これまで不明であった点などが徐々に明確になっていくように感じている。最終年度まで着実に作業・考察を進め、研究成果を研究論文として公表したいと考えている。
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