2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520147
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中村 唯史 Yamagata University, 人文学部, 准教授 (20250962)
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Keywords | ロシア / 他者 / 表象 / コーカサス |
Research Abstract |
本年度は「11.研究発表」欄に記載の論文を刊行した。いずれも20世紀ロシア語文学のコーカサス表象、あるいはソ連体制下での非ロシア人作家の問題を取り扱い、本研究と密接に関係する論考であった。 また20世紀ロシア文学のコーカサス表象を強く規定した19世紀のプーシキン、レールモントフ等の作品についても考察・分析を続け、その一部は「11.学会発表」欄記載の報告の他、ロシア文学者の合同研究会等においても報告を行い、質疑応答から貴重な示唆を受けた。 上記の論考や報告は、当初から本研究で用いている記号論的概念「自己/他者」の問題を、叙情的主体とそれを囲繞する自然との関係の問題へと接続することを試み、ロシア文化における「他者」表象とロシア文化における「風景」との密接な関係という文化史的な方向への展開を志向するものである。 なお本年度までの本研究の成果の一部は、国際交流基金主催中東理解講座2007年度第1期「文明の十字路・コーカサスの諸相」における研究代表者の講演「ソヴィエト連邦におけるコーカサス諸民族文学の位相」(於ジャパンファウンデーション国際会議場、2007年7月30日)にも反映している。これはダゲスタン共和国における「諸民族国民文学史」創造過程の概観を内容とする報告であった。
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