2008 Fiscal Year Final Research Report
A Cultural Study in the Victorian Debate on Vivisection
Project/Area Number |
17520150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
ヨーロッパ語系文学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
TANJI Ai The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90133686)
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Project Period (FY) |
2005 – 2008
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Keywords | ヴィクトリア朝 / 生体解剖論争 / 動物愛護文化 / 文化研究 / H・G・ウェルズ / モロー博士の島 |
Research Abstract |
ヴィクトリア朝英国における生体解剖をめぐる論争は、めざましい発展を示しながら唯物論化していったヴィクトリア朝の科学(生体解剖とはそのような科学の典型としての生理学が生み出した新しい科学的方法だった)と、18 世紀後半以降、福音主義などの影響とともに発展していた動物愛護の文化が真っ向から衝突した事件であった。そのようなものとしての生体解剖論争のなかに、そしてその論争のディスコース圏のなかで書かれた多くの文学作品(たとえばウィルキー・コリンズの『心と科学』、H・G・ウェルズの『モロー博士の島』、G・B・ショー『医者のジレンマ』など)のなかに、われわれは、宗教性を離れて没道徳的に真実を追求しはじめた唯物論的な科学にたいするヴィクトリア朝人のさまざまな反応を見てとることができるだろう。
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