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2006 Fiscal Year Annual Research Report

英米文学テクストにおける南太平洋表象とそのナチュラライゼーション

Research Project

Project/Area Number 17520155
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

山本 卓  金沢大学, 教育学部, 助教授 (10293325)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村上 清敏  金沢大学, 文学部, 教授 (40054168)
Keywordsイギリス文学 / アメリカ文学 / 南太平洋 / 南太平洋文学 / エコクリティシズム / コロニアリズム
Research Abstract

平成18年度の山本(代表研究者)の研究は、南太平洋にまつわる言説の出発点となったクックやブーガンヴィルの航海誌の検証から始め、19世紀の英米文学作品で描かれる南太平洋像の変遷に焦点を当てた。本研究のキーワードとした「ナチュラライゼーション」を現地人女性と西洋人男性の関係のあり方という点から考察し、初期の航海誌によって西洋世界にもたらされた奔放な性の空間という南太平洋のイメージが、メルヴィル、バランタイン、スティーヴンソンの作品を通じて、修正・改編・強化される過程を分析した。その際、西洋における観念としての南太平洋像の浸透については、ダーウィンからフロイトに至る系譜を扱い、文学作品の背景となる思想を検証した。
村上(研究分担者)は、南太平洋の言説が比較的ストレートな形で表出されているジャック・ロンドンの南太平洋を舞台とした諸作品、とりわけ、短編集『南海物語』と『スナーク号航海記』を中心に研究を進めた。特に後者に収録されている短編「タイピー」をメルヴィルの処女小説『タイピー』と比較検討する過程で、両作家が南太平洋に見たもの、あるいは求めたものの実態と、それにたいして西洋が行った同質化と差異化の二重のプロセスを検証した。
本研究の発展的な活動として、平成18年8月、岩波書店からのエペリ・ハウオファ著『おしりに口づけを』(村上・山本共訳)の出版を挙げる。南太平洋作家による長編文学作品では、日本で初めての翻訳となる。コミカルなタイトルではあるが、そこに展開されている物語は政治的な示唆に富み、本研究が扱ってきた英米文学作品において「表象される対象」からのアンチテーゼとして注目すべき作品である。同年9月には山本・村上は資料収集にフィジーの南太平洋大学に訪れ、当地で開催された文学セミナーにおいて、日本における南太平洋文学の受容の可能性について発表した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2007 2006

All Journal Article (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 南太平洋のナチュラライゼーション : 19世紀英米文学における女性表像とその変移2007

    • Author(s)
      山本卓
    • Journal Title

      金沢大学教育学部紀要、人文科学・社会科学編 56

      Pages: 13-25

  • [Journal Article] 『おしりに口づけを』解題(訳者あとがき)2006

    • Author(s)
      山本卓, 村上清敏
    • Journal Title

      おしりに口づけを

      Pages: 233-40

  • [Book] おしりに口づけを2006

    • Author(s)
      エペリ・ハウオファ著, 村上清敏, 山本卓 共訳
    • Total Pages
      240
    • Publisher
      岩波書店

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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