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2007 Fiscal Year Annual Research Report

近世民衆物語詩の比較文化史-恋の歌とその周辺-

Research Project

Project/Area Number 17520161
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

前野 みち子  Nagoya University, 国際言語文化研究科, 教授 (40157152)

Keywords比較文学 / 民衆物語詩(バラッド) / 近世都市 / ドイツ / ネーデルラント
Research Abstract

平成19年度は主としてドイツとネーデルラントの恋の物語詩、さらには恋の抒情詩が示す共通性、その相互的影響関係、およびそれらの歌が流布した近世都市社会の状況についての考察を、主として十六世紀に特徴的な歌を中心に、個々の歌の細部に即して進めた。とくに、同じメロディーを保持しながら次々と異なるテクスト(contrafact)を産んでいく同時代現象が、北ヨーロッパにおける印刷術の普及、利益の多い〈歌の本〉の出版に新味を添えようとする印刷業者達の思惑、この時代の人々を特徴づける〈新しさ〉〈新奇なもの〉への嗜好、さらに都市における〈共に歌う社交社会〉の形成・発展などと緊密に結び付いていることを確認した。またその一方で、十五・六世紀の都市で流行した物語詩のかなり多くがネーデルラントではレーデライカー(ほぼドイツのマイスタージンガーに当たる)によって創作されていることから、ドイツ、ネーデルラント(フランス語圏を含む)におけるこのような都市の職匠歌人と恋の物語詩との関係、とりわけその教化文学的な意図と地域的な特色などについても、ある程度まで分析を進めた。近世の〈恋の物語詩〉はこの意味で、その創作意図が商業的-モラル的に二極分解しているように思えるが、この問題については、〈恋の物語詩〉を近世都市文化史を目ざして記述する本研究の枠組みにおいて更に詳しく検討する必要があるだろう。これらの分析・考察と並行し、日本ではまだほとんど知られていない十五世紀後半から十六世紀の恋の物語詩の紹介を意図して、翻訳作業も10篇ほど行った。
平成19年度末に予定していた研究成果報告書は、予定していた作業が眼病により大幅に遅れたため、20年度末までに提出するつもりである。

  • Research Products

    (3 results)

All 2008 2007 Other

All Journal Article (2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 「歌の魔力 -ハレヴェインとウーリンガー-」2008

    • Author(s)
      前野みち子
    • Journal Title

      名古屋大学国際言語研究科言語文化論集 29-2

      Pages: 1-19

  • [Journal Article] 「西欧女性の手仕事モラルと明治日本におけるその受容」2007

    • Author(s)
      前野みち子・香川由紀子
    • Journal Title

      名古屋大学国際言語研究科言語文化論集 29-1

      Pages: 19-40

  • [Remarks]

    • URL

      http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/proj/genbunronshu/ronshu-3.html

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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