2007 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀パリのシャンソンにおける文化の交錯とアイデンティティ
Project/Area Number |
17520168
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三木原 浩 Kobe University, 国際文化学研究科, 教授 (70116177)
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Keywords | シャンソン / パリ / モンマルトル / ベルヴィル / エディット・ピアフ |
Research Abstract |
1. 研究目的のうち、今年度は「パリ生まれのシャンソン歌手たちにおける、パリの文化とのアイデンティティ」に力点を置いた。その中でも、サン・ジェルマン・デ・プレ生まれのシャルル・アズナヴールおよびベルヴィル生まれのエディット・ピアフに特化して考察した。前者においては、パリ娘と出自不明の青年(ボエーム)の悲恋を描いた『ひとりの少女』を分析し、アズナヴールのパリへの愛着と国境を越えた人間への関心を明らかにした。これは両親がトルコ出身のアルメニア人であることと無縁ではない。後者においては、2007年9月に上映された『エディット・ピアフ-愛の賛歌』を背景に、持ち歌『ミロール』『水に流して』等の歌詞の言葉を分析し、ピアフの、結果としてオプティミスティックな人生を明らかにした。両者に通じるのは、パリ及びパリを超えた普遍的な人間愛である。 2. 2008年2月11日〜2月23日、本科研費による海外渡航でパリに出張し、DVD、CD、書籍文献等、多数の貴重な資料を購入したほか、小劇場や教会におけるシャンソン公演に足を運び、現時点でのパリにおけるシャンソンの受容の実態の一部を調査することができた。 3. シャンソン研究会を開催し、研究者と意見交換し、多くの資料の提供を受けた。 (1)2007年5月18日(金)於信州大学人文学部、発表:松島征「わが国におけるシャンソン受容史」、三木原浩「アリアは伝説の調べ」 (2)2007年12月8日(土)於京都大学吉田キャンパス、発表:戸板律子「シャンソン・ライブ現地リポート2006年9月」、吉田正明「プレヴェールのシャンソン」、ワークショップ:プレヴェール没後30年記念「プレヴェールをめぐって」 4. 日仏文化講座CAF講演:「南フランスの旅-事実、伝説、そして歌」2007年6月12日於神戸国際会館
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Research Products
(2 results)