2007 Fiscal Year Annual Research Report
エスニシティの新たなる地平:アメリカ文学における新しいユダヤ性
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17520176
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新田 玲子 Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 教授 (40180674)
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Keywords | アメリカ文学 / ユダヤ系作家 / エスニシティ / ポストモダン / ホロコースト / ウォルター・アビッシュ / ポール・オースター / ユダヤ性 |
Research Abstract |
今年度はまず、昨年度開始したPaul Austerのユダヤ性の研究をまとめ、9月に広島大学・アメリカ・エスニック文学研究会で発表した。また、10月に開催された日本アメリカ文学会大会では、「変容するエスニシティの表象-アメリカ合衆国におけるマイノリティ文学から」という題目でシンポジアムを開催。新しいエスニシティに関する広い議論を取りまとめると共に、「Paul AusterのThe Invention of Solitudeにおける新しいユダヤ性-普遍化とのせめぎ合いから」というタイトルでAusterの新しいユダヤ性に関する発題を行った。その成果は、同名のタイトルで『広島大学・アメリカ・エスニック文学研究』に報告すると共に、『英語英文學研究』に"Paul Auster's New Jewishness in the USA: An Analysis of The Invention of Solitude"として英文で発表した。 第二に、この夏にはJoseph HellerのGood as Goldについての論文を完成。現在、本にする計画が進行中である。 第三に、2007年12月にサンディエゴで新しい文学表現を試みる三人のユダヤ系作家のインタビューを行った。対象作家は、Harold Jaffe、Raymond Federman、 David Matlinの三名だった。このインタビューにあたり、作品を読むなどの準備の他、三人の作家をよく知るサンディエゴ大学のLarry McCafferey教授から直接指導を受けた。 インタビューは帰国後、文字に書き起こし、作家とe-mailでやりとりして完成させた。このインタビューは、二年前に行ったWalter Abishのインタビューと共に、来年度の『英語青年』5月号から4ケ月間連載される。そのために必要なインタビューの翻訳と、それに付ける作家紹介記事はすでに作成済みである。
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