2008 Fiscal Year Annual Research Report
エスニシティの新たなる地平:アメリカ文学における新しいユダヤ性
Project/Area Number |
17520176
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新田 玲子 Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 教授 (40180674)
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Keywords | アメリカ文学 / ユダヤ系作家 / エスニシティ / ポストモダン / ホロコースト / ウォルター・アビッシュ / ポール・オースター / ユダヤ性 |
Research Abstract |
今年度は本研究の最終年度にあたるため、研究の総まとめと公表を中心とした活動を行った。 まず、昨年度行ったWalter Abish,Harold,Jaffe,Raymod Federman,David Matlinのインタビューを、『英語青年』5月号から8月号にかけ、作家の略歴を加えて順次掲載していった。 次に、一昨年度開始したPaul Austerのユダヤ性についての研究をThe25th Internationa Literature and Psychology Conferenceで発表するため、6月30日から7月9日までポルトガルに赴いた。この会議中、"Paul Auster's New Jewishness in the USA: An Analysis of The Invention of Solitude"という題目で口答発表した他、昨年インタビューを行ったWalter AbishやRaymond Federmanに関する研究動向について意見を交換したり、新しい資料の提供を受けたりした。 8月〜10月には、『英語青年』に発表したインタビューの日本語訳に、作家に点検してもらったインタビューの原文、より詳細な作家履歴、さらにはインタビューに関する思い出話を書き添え、本として出版できるよう準備して今年の広島大学出版の助成金申請に応募した。残念ながら今回は選に漏れたが、今後、何らかの形で公表を目指している。 12月にはオバマ氏の大統領当選を受け、アメリカにおける初の黒人大統領誕生の意味をアメリカの人種差別の歴史の中で振り返り、「真の自由と平等とは」を完成。1月にNew Waveに発表した。また、3月には、「ジョーゼフ・ヘラーが描くユダヤ体験」の執筆を担当した共著『アメリカ文学における階級-格差社会の本質を問う』の出版にこぎつけた。
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Research Products
(8 results)