2006 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ文学における日本受容と日本文学におけるドイツ受容
Project/Area Number |
17520178
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
依岡 隆児 徳島大学, 総合科学部, 教授 (90230846)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ヘルベルト ヴォルフガング 徳島大学, 総合科学部, 講師 (60437663)
井戸 慶治 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (40193536)
増田 周子 関西大学, 文学部, 助教授 (30294664)
|
Keywords | ドイツ文学 / 日本文学 / 比較文学 / 比較文化 / 文化の影響関係 / 文化変容 / 文化交流 / 異文化理解 |
Research Abstract |
長く深い日独関係の中で、ドイツ語圏文学における「日本」、ならびに日本文学に表れた「ドイツ」がいかに捉えられてきたかを調査、分類し、その傾向やイメージ形成のあり方を分析・考察することが本研究の目的だったが、本年度におけるその活動状況と成果は、以下の3点である。 1.研究全体の基礎として、引き続き文献の収集とデータベース化を進めた。関連文献を収集し、分類整理した。 2.本年度は特に20世紀初頭から第二次世界大戦後の時期を中心に研究を行った。月一度の研究打ち合わせを行い、各メンバーの活動状況の報告と情報交換を行った。既存の文献の検討を通して、ヘルベルトはドイツ語圏における仏教・禅の包括的な受容研究について論文を発表し、徳島城博物館での講座[2006年6月]、ならびに神戸のOAG[2007年3月]で「ドイツ語圏における仏教」という題で講演した。井戸は板東俘虜収容所関連の研究、中島敦とドイツとの関連の研究を進め、増田は日本文学に表れたドイツの影響、特に宇野浩二の童話におけるハイネ受容を論文にまとめた。また、依岡は20世紀初頭のドイツ語圏の文芸美術雑誌の日本への影響を引き続き考察し、二本の論文を出した。また、ドイツのハイク受容と日本における日本的なるものの発現を促すという影響関係について、国際日本文化研究センターの共同研究会(「交感する情調-ドイツ・ハイクの生成と俳句再評価」、2006年9月)で発表、さらに徳島とドイツとの文化交流について新聞連載を書き(徳島新聞「地方から見た文化交流」2006年6月)、日独比較文学の研究書の書評を書いた(書評「九頭見和夫著『太宰治と外国文学-翻案小説の「原点」へのアプローチ』」、日本比較文学会『比較文学』第48巻)。 3.文献調査のために、ドイツへの海外出張を行った。井戸はドイツ出張により、板東俘虜収容所の印刷物やドイツ捕虜による手記などを調査・複写した。
|
Research Products
(4 results)