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2007 Fiscal Year Annual Research Report

南チロルの現代ドイツ語文学に描かれた多文化社会に生きる青年

Research Project

Project/Area Number 17520182
Research InstitutionKyushu Institute of Technology

Principal Investigator

今井 敦  Kyushu Institute of Technology, 工学部, 准教授 (10380742)

Keywords独文学 / 独語 / 南チロル / オーストリア:イタリア / 現代文学
Research Abstract

平成19年度は、南チロルとオーストリアに赴き、作家Sepp Mall、Helene Floss、Joseph Zodererにインタヴューした。Sepp MallとHelene Flossは南チロルの歴史に取材した作品を発表しており、歴史との葛藤を描いているという意味でJoseph Zodererに通ずるものを持っている。19年度は、Helene Flossの二つの小説"Lowen im Holz"(2003)と"Schnittbogen"(2002)を重点的に研究した。前者は二つの世界大戦の狭間に生きた南チロルのイタリア人やドイツ語住民を描いたものであり、後者は、第二次大戦中、とりわけ「国籍選択」やドイツ軍進駐の際、南チロルの日常に否応なく入り込んできた「政治」という問題を扱ったものである。
平成19年度秋には、詩人Norbert Conrad Kaserから現在に至るまでの南チロルの文学を概観する学会発表(口頭)を行い、それを論文の形に纏めた。この論文の中ではKaserのほか、Joseph Zoderer、Sabine Gruber、Helene Floss、Sepp Mallについて、60年代以降の新しい南チロルの文学を代表する作家として詳しく論じた。とりわけ問題としたのは、68年運動の流れの中で創作した作家たちの、郷土文学(ハイマート・リテラトゥア)からの決別、反ナショナリズムの文学としての新しい南チロル文学である。南チロルの文学に見られる特徴的テーマとして、多文化の狭間の中で成長する若者のアイデンティティの探求、そうした探求におけるheimischとは何か、fremdとは何か、言語はそこでどんな役割を果たしているのか、という問題を扱った。また、Joseph Zodererの小説『手を洗うときの幸福』の一部を翻訳し、発表した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2008 2007

All Journal Article (2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 南チロルの現代ドイツ語文学2008

    • Author(s)
      今井 敦
    • Journal Title

      九州工業大学研究報告(人文・社会科学) 56号

      Pages: 25-33

  • [Journal Article] 手を洗うときの幸福(一)(翻訳)2007

    • Author(s)
      今井 敦
    • Journal Title

      かいろす 45号

      Pages: (1)-(13)

  • [Presentation] 南チロルの現代文学事情2007

    • Author(s)
      今井 敦
    • Organizer
      日本独文学会西日本支部第59回総会・研究発表会
    • Place of Presentation
      山口大学(山口市)
    • Year and Date
      2007-12-08

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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