2005 Fiscal Year Annual Research Report
両大戦間の在パリ日本人群像とフランス・モダニズムの展開
Project/Area Number |
17520198
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
篠田 勝英 白百合女子大学, 文学部, 教授 (20129894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星埜 守之 白百合女子大学, 文学部, 教授 (10238743)
澤田 直之 白百合女子大学, 文学部, 教授 (90275660)
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Keywords | パリ / 薩摩治郎八 / 藤田嗣治 / 岡本太郎 / 九鬼周造 |
Research Abstract |
初年度である本年度は薩摩治郎八(篠田分担)岡本太郎(星埜分担)九鬼周造(澤田分担)に関する伝記的事実・業績の実証を中心に研究活動を行った.全体としては,6回の研究会をもち,共同研究者が分担して,研究対象者に関する綜合年譜を作成するとともに,関連書誌を渉猟した. 個別には,篠田が平成17年9月1日より15日までパリに出張.薩摩治郎八関連の資料(書簡および公文書)をパリの国際大学都市のArchivesで調査.自筆書簡を含む大量の資料の参照・複写を行なった.その後,フランス人アシスタントによって,資料の書き起こしの作業とともに,資料の整理分類を進めた. 岡本太郎については,星埜が,1929年に始まる11年間のフランス滞在を詳細に跡づける予備作業として,岡本関係の文献の調査収集,および書誌情報の系統的な整理をおこなうとともに,岡本のパリ大学における登録状況の調査のための予備調査を行つた. 九鬼周造については,澤田が平成17年7月20目から8月2日までフランスに出張.ポンティニー修道院での文化活動を継承したスリジー・ラ・サール国際文化センターを訪れ,十日会の主宰者であるPaul Desjardinsの孫で現在センターを主宰するEdith HeurgonおよびMaurice de Gandillacにヒアリングを行ったが,残念ながら九鬼に関する特記すべき情報は得られなかった.また,カーン近郊にあるIMEC現代出版記憶研究所で調査した結果,ポンティニー関連の書類の多くはナチスによって没収され,散逸したことが判明した. 本年度は資料収集と分析に多大な時間を割かざるを得ず,研究成果の発表がとうてい十分とはいえない結果に終わったが,これまでの蓄積を次年度以降に逐次公刊していく予定である.
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