2006 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀後半から20世紀初期ロシアにおける文学生産の場の社会史的研究
Project/Area Number |
17520210
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
貝澤 哉 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30247267)
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Keywords | ロシア東欧文学 / ヨーロッパ |
Research Abstract |
本年度は、主として19世紀後半から20世紀初期のロシアにおける民衆への識字・読書教育に関する資料の収集や、すでに収集したマイクロ資料のプリント化をおこない、それらの資料の読解をとおして、この時期のロシアにおいて「文学」が教育を通して大衆的に浸透してゆく過程を明らかにした。 1860年代のゼムストヴォや70年代のナロードニキの活動家、民間の識字教育者、とりわけ、オストロゴルスキイ、アルチェフスカヤ、アン…スキイ、プルガーヴィン、ルバーキンによる、初期の読書研究を参照することで、1880・90年代に読書行動の大きな転換が始まったことが明らかになった。 こうした研究成果は、2006年12月13-15日に北海道大学スラブ研究センターで行われた国際シンポジウム「2006Winter International Symposium"Beyond the Empire : Images of Russia in the Eurasian Cultumal Context"」においてロシア語で発表されたまた、2007年3月3-4日、北海道大学スラブ研究センターで行われた、科研費共同研究「スラブ・ユーラシアにおける東西文化の対話と対抗のパラダイム」/19世紀研究会/目本学術振興会研究プロジェクト「越境と多文化」の合同研究会「文化研究と越境:19世紀ロシアを中心に」において、この2年の研究成果を総合した「19世紀後半のロシアにおける文学教育・読書教育の展開一学校教育と民衆読書」と題する発表をおこなった。
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Research Products
(2 results)