2007 Fiscal Year Annual Research Report
身体性を軸とした中国近現代文化史構築のための超領域的研究
Project/Area Number |
17520222
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
牧 陽一 Saitama University, 教養学部, 教授 (40241921)
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Keywords | 中国現代アート / パフォーマン・アート / 文化大革命 / 毛沢東時代 / 視覚表象 / 798大山子芸術区 / インタラクション / 中国の女性像 |
Research Abstract |
最終年度である2008年度も当該研究計画に従って研究を進めた.2007年9月,2008年3月,2回にわたって北京798大山子芸術区を中心に,酒廠芸術区,草場地芸術東区,東四107号,華果社区今日美術館,通州宋荘など多くの芸術区を調査することができた.中でも798は変容が甚だしい.バブル経済に巻き込まれ,芸術区というよりは「商業地区」に変容していったことを批判的に報告した.また美術評論家温普林による資料展「解放」において,1980年代から90年代にかけての中国パフォーマンス、アートの全容を見ることができた.大型図書『20世紀中国芸術史』『85美術運動』など主要な文献資料も収集することができた.以上昨年度からの調査の成果は『アジア遊学』の「中国現代アートの現状と課題」、『中国年鑑』の「動向・文化・美術」及び『美術手帖』「海外のアートシーンから、北京」に発表した.また2007年7月埼玉大学実行委員会主催・埼玉県立近代美術館後援によってシンポジウム・パフォーマンス「アート・身体・インタラクションII」を開催した.中国の重要なパフォーマンス・アーティスト蒼?と朱冥を招へいすることができた.報告は大学のHPおよび『東方』「中国現代アートを行く」に公表した.論文では『現代中国』「紅い激情」において文革中の視覚表象と現代アートとの関係を明らかにした.また「チャイナ・ビューティー」では建国前の女性像と文革中の女性像をモダン、ガールからアイアン・ガールへと変容したものとして紹介した.ここでは(広東美術館編)『毛沢東時代美術』など今年度新しく入手した資料を用いた.また2007年2月に刊行した『中国現代アート』は新しい章を加えた形で2008年1月韓国語版が出版された.書評が「art in Asia」誌などに発表され,今後の国際的な受容が期待される.同書は埼玉大学「研究成果の状況」でS(当該分野において,優秀な水準にある)に選ばれている.
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Research Products
(6 results)