2005 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル社会におけるネーションとアイデンティティの変容-日豪文学・文化比較研究
Project/Area Number |
17520241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
有満 保江 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 助教授 (20097075)
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Keywords | オーストラリア文学 / 英語圏文学 / 比較文学 / 比較文化 / 文学論 |
Research Abstract |
本年度の研究成果として、以下のように報告いたします。 (1)オーストラリア詩人John Mateerを招聘。関西のオーストラリア研究者によるシンポジウムおよびワークショップを主催した。また、同志社大学内言語文化教育センターの、アメリカ、イギリスの研究者とともに、アメリカの詩人で、日本と仏教に関わりの深いGary SnyderとJohn Mateerの作品を比較する研究会も主催した。 (2)2005年8月21日より8月30日まで、オーストラリアのメルボルンおよびシドニーを訪問した。シドニーでは現在のパフォーミング・アーツと絵画の動向に注目した。商業ベースの演劇は、多文化というよりも植民地時代の作品が上演され、多文化に対してより戻し現象が起こっているのが興味深かった。芸術、美術に関しては、国立美術館およびプライベート・ギャラリーにおける作品をリサーチした。若い芸術家たちの、とくに移民作家の活躍が見られた。メルボルンにおいては、実験的な演劇やパフォーミング・アーツなどをリサーチ、アーティストやディレクターにインタヴューを行なった。 (3)多文化を表象する文学作品、とくに短編小説の収集を行なった。この企画は、情報提供者であるProf.Kate Darian-Smithとの共同プロジェクトであり、将来「短編集」の出版を予定している。現在、いくつかの作品の日本語への翻訳が進められている。また、2006年5月にいくつかの作品が雑誌へ掲載される予定である。 (4)今年度の研究成果として、英文の論文が出版された。この論文は、オーストラリア人Brian Castroと日系イギリス人作家Kazuo Ishiguroを比較するもので、文学にみられるアイデンティティの変容を論じるものである。本書の編集は、情報提供者のひとりProf.Dennis Haskellである。論文については、研究発表成果の欄に記載した。
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Research Products
(1 results)