2006 Fiscal Year Annual Research Report
北フリジア語の体系的構造記述-西フリジア語との比較と標準ドイツ語の影響を考慮して
Project/Area Number |
17520246
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 誠 北海道大学, 大学院文学研究科, 教授 (40162713)
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Keywords | 北フリジア語 / 西フリジア語 / フリジア語 / ドイツ語 / ゲルマン語 / オランダ語 |
Research Abstract |
上記の研究課題に従って研究を進めた結果、今年度は1編の国際学術雑誌掲載の論文と1冊の著書を完成することができた。まず、論文"Het Nederlands in Japan"はオランダ語で執筆したものだが、これはオランダ語圏言語文化の代表的な国際的擁護機関であるDe Vlaams-Nederlandse vereniging Ons Erfdeel vzwからの要請を受けて、日本におけるオランダ語圏言語文化の研究・教育受容史と現状について総括的な論評を行ったものである。本論文ではオランダ語に加えて、オランダ第2の公用語である西フリジア語についても論述し、申請者のフリジア語研究の成果にかんしてもくわしく言及した。本論文は従来、日本で唯一、オランダ語学が教授されていた東京外国語大学において、近年、関連分野の教員の退官に伴って後任補充が行われないことになり、ここに日本における400年間にわたる江戸時代以来の蘭学およびオランダ語学の公的伝統が途絶えたことを同機関が察知し、それに伴って望みうる最適任者として申請者が論文執筆の依頼を委託されたものであり、申請者のオランダ語・フリジア語研究が国際的な認知を受けていることの証左であるとともに、申請者の研究を改めて広く国際的にアピールすることに貢献した。著書『オランダ語のしくみ』はオランダ語の構造を解説したものだが、フリジア語の研究・擁護についても言及し、日本の一般読者にもフリジア語の存在を知らしめる啓蒙的な役割を果たすものである。以上のように、本研究2年目としてふさわしい成果を挙げることができた。
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Research Products
(2 results)