2005 Fiscal Year Annual Research Report
日韓独仏4言語による発話の対照音声分析に基づく無音ポーズの基礎研究
Project/Area Number |
17520252
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
林 明子 中央大学, 文学部, 教授 (60242228)
|
Keywords | 音声学 / 言語学 / 無音ポーズ / 対照研究 / 談話分析 / 日本:韓国:ドイツ:フランス / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
沈黙の機能は文化によって異なると言われ、同様の目的を持った異なる言語での会話を比較した場合、それが会話の展開あるいは参加者の談話管理と関連しながら各言語を特徴づけていることが予想される。本研究では、日本語・韓国語・ドイツ語・フランス語の4言語による音声資料(「依頼」と「断り」の場面における会話)のインタラクションの中で観察される無音ポーズに注目した。今年度は、具体的に次の作業を行った。 1、日本語、韓国語、ドイツ語それぞれのデータについて、ポーズ長および頻度、発話長および頻度の測定を行った。測定結果については、言語差、男女差、役割差等の要因に配慮しながら分散分析を行い、談話構造や発話の機能と関連づけながら考察した。その結果、(1)ポーズの頻度と長さ,言語と役割間のすべてについてその差は有意であり,言語と役割間には有意な交互作用がみられること、(2)どの言語についても役割が要因として有意であり、それは対話内で果たす役割に基づくストラテジーを反映する結果と考えられること、(3)「ポーズ長の範疇」については,データの統計的傾向から,対話データにおいても短ポーズ,中ポーズ,長ポーズの3種類を想定するのが妥当と思われること、が明らかになった(中央大学文学部『紀要 文学科 第98号』2006年3月に発表)。 2、フランス語については、日本語、ドイツ語、韓国語のデータと同様の条件で、パリ在住のフランス語母語話者38名(男性18名、女性20名)を被験者として録音実験およびフォローアップインタビューを行った。各録音実験は被験者2名と研究代表者、海外研究協力者の計4名で構成されている。録音期間終了後は、フェイスシートおよび録音データの整理を行うとともに波形データ変換の準備等を行った。
|
Research Products
(1 results)