2005 Fiscal Year Annual Research Report
現代フランス語における事態の主観的把握の方策の研究
Project/Area Number |
17520260
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春木 仁孝 大阪大学, 言語文化研究科, 教授 (00144535)
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Keywords | 緩和表現の半過去 / 属性描写 / 物語的現在 / 認知言語学 / 自伝 / モダリティー |
Research Abstract |
前回の科学研究費補助金の課題と、上記の課題による研究は継続的なものであるが、前回の期間からの継続的研究として、昨年度から本年度当初にかけて緩和表現の半過去についての最近の文献の批判的検討を行ない、その結果を論文の形にまとめて刊行した。 また、研究課題に関わる補足的研究として、古期フランス語における物語的現在の文脈の中で登場人物などの属性描写を行なう場合には半過去が用いられているという現象や、同一文中や連続する文の途中で物語的現在と単純過去が交替する現象についての研究を行い、認知言語学的な観点からの仮説に基づいての分析を、フランス語学会のシンポジウムで口頭発表するとともに、論文としてまとめた(印刷中)。 さらにいくつかの小説を資料として、その中で使われている複合過去と単純過去の交替の状況を調査して、単純過去が使われる状況のタイプ化に向けての考察を行ない、前回の科学研究費補助金の課題の成果をさらに精緻なものにするための研究を引き続き行なっている。その際、小説だけでなく、より書き手の主観的事態把握を研究するにふさわしい資料として新たに自伝を資料として分析することを計画していたが、その分析にも着手した。現在までの成果を5月に刊行予定の言語文化共同プロジェクトに掲載する論文として現在執筆中である。その内容をさらに考察を進めて6月にフランス語学会で口頭発表する予定である。
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