2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代フランス語における事態の主観的把握の方策の研究
Project/Area Number |
17520260
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春木 仁孝 Osaka University, 大学院・言語文化研究科, 教授 (00144535)
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Keywords | 主観性 / 客観性 / 時制形式 / モダリティー / 単純過去 / 複合過去 / 再帰構文受動用法 |
Research Abstract |
当研究では主としてフランス語の動詞の時制形式を対象として、事態の把握における主観的観点の現われかた、および主観的把握と客観的把握の交代などの現象について研究を進めてきたが、最終年度にあたり、モダリティーと過去時制という領域における主観性・客観性という概念について再検討を行ない、主観性のいくつかのあり方について「事態の主観的把握について」という論文にまとめた。時制形式と事態の主観的把握の問題についてはこれまでの研究のうち、特に単純過去と複合過去の問題についての総括を行っており、近く論文の形で公刊する予定である。その中心となる考えは、時間的な距離が心理的な距離にメタファー的に拡張されたものとして複合過去と単純過去が主観性の違いを表しているというものである。 また、昨年度より、研究テーマの事態の主観的把握という観点から再帰構文受動用法におけるモダリティーについても研究を開始したが、本年度はその問題についての論文をまとめた。今後は再帰構文受動用法に研究の対象を移して、モダリティーそのものの問題と共にさらに研究を進める計画である。
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