2007 Fiscal Year Annual Research Report
イベント意味論に基づいたテンス・アスペクト体系の日仏語対照研究
Project/Area Number |
17520261
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三藤 博 Osaka University, 大学院・言語文化研究科, 准教授 (60181939)
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Keywords | テンス / アスペクト / フランス語学 / 形式意味論 / イベント意味論 |
Research Abstract |
平成19年度は、本件研究の研究課題であるイベント意味論に基づいたテンス・アスペクト体系の研究を進めていくための研究の基盤整備という意味合いからも、昨年度における研究を引き続き発展させて、論文「イベント意味論に基づく日本語意味論の構築に向けて」を執筆した。本論文は、昨年度の研究成果を論文にまとめた「イベント意味論に基づく日本語の名詞句の意味の取り扱いについて」をさらに発展させて、名詞句の意味解釈に限定せずイベント意味論によって日本語の意味論を構築しようとする試みを提示したものである。また、テンス・アスペクト体系を統語構造の観点から見た場合には、特に否定辞(統語論的に見ればNegの投射)とテンス・アスペクト要素との相互関係が非常に大きな問題となるところから、また意味論的な問題意識からも、以前より否定の問題にも多大な関心を寄せていたところ、日本言語学会からの慫慂を受けたこともあり、2007年11月に信州大学にて開催された日本言語学会第135回大会においてシンポジウム『否定と言語理論』を企画、司会し、またシンポジウム全体のイントロダクションも担当した。この否定に関するシンポジウムにおいて参加の講師陣から提示された統語論、意味論、語用論の各アプローチによる否定の分析には、本件研究の遂行に際して極めて参考になる点が多く含まれており、本件研究の遂行に新たな展望を開くことができた。なお、本シンポジウムは、開催後に多くの好意的コメントが寄せられ、資料提供の要請を受けるなどの反響があった。
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Research Products
(2 results)