2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520265
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
遠藤 史 Wakayama University, 経済学部, 教授 (20203672)
|
Keywords | 言語学 / ユカギール語 / 辞書作成 / 言語コーパス |
Research Abstract |
コリマ・ユカギール語についてコンピュータ入力による新しい言語資料のコーパス化を継続して進めた。研究代表者および研究協力者が過去の現地調査で収集した言語資料のコーパス化を前年度に引き続いて進めるとともに、既にコーパス化を完了している資料については分析を推進し、個々の語彙項目、個々の文法項目についてなるべく多くのデータを揃えることを目指した。また、新たに見出された資料のコーパス化に着手し、次年度に当該資料のコーパス化を終えるための準備を整えた。すでに出版済みの『コリマ・ユカギール語の輪郭』(2005年12月)における筆者自らの分析を批判的に検討し、コリマ・ユカギール語の形態音韻論的分析を深めた。今年度は特に、動詞における形態音韻論的分析を集中して行い、想定すべき基底形とそこからの派生に必要な形態音韻規則をある程度定式化し、その内容を辞書項目にわかりやすく反映させるための枠組み及び方法について検討を進めた。これらの成果は、翌年度に辞書の雛形となる用例付き語彙集を出版するための準備となるものである。また、名詞における形態音韻論的分析にも着手し、翌年度への準備を固めた。あわせて、将来の本格的なコリマ・ユカギール語辞書作成に向けた基礎的方法論の検討を継続し、すでに刊行した語彙集を批判的に検討しつつ、将来に向けて改良すべき点を研究した。また、共著者とともに東シベリアに話される少数言語・危機言語の現状と将来への展望を考察し、論文の形で刊行した。
|