2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
辻 星児 岡山大学, 文学部, 教授 (40108113)
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Keywords | 朝鮮資料 / 日本資料 / 朝鮮語音韻史 / 日本語音韻史 / 捷解新語 / 老松堂日本行録 / 朝鮮通信使 / 朝鮮漢字音 |
Research Abstract |
本研究は、従来別々に取り扱われてきた「日本資料」と「朝鮮資料」を総合的に調査、研究することにあり、そのために、諸機関が所蔵する資料を調査、収集し、デジタル化を図ったうえで、諸資料の言語史的位置づけと総合的な研究をおこなうことにある。この観点から、17年度は、以下のような調査と作業、研究を行った。 1.韓国および日本の諸機関所蔵資料の調査、研究 ソウル大学奎章閣所蔵の『日本往還日記』および原刊『捷解新語』(別本)および総督府時代の日本図書目録等を調査し、必要な複写を行った。国立中央図書館で、通信使関係の諸資料(「顔楽堂集」「日観考要」など)を調査した。延世大学校付属図書館で、通信使関係資料(「老松堂日本」など)の原本を参観し、複写を行った。日本の福井県小浜市立図書館酒井家文書を調査し、朝鮮関係資料(『朝鮮事記』など)を調査し、未発掘の朝鮮語資料「朝鮮国語」一葉を見出した。 2.資料のデジタル化 東京大学文学部小倉文庫所蔵の原刊本『捷解新語』のデジタル化を行った。一部の不備を補って、18年度にはCDロムとして公表する予定である。また、上記奎章閣別本の原刊本『捷解新語』および通信使関係の未公開の資料(上記の一部)もあわせてデジタル化を始めた。 3.資料の注釈と文献学的研究 原刊本『捷解新語』について、朝鮮語および日本語の注釈作業を継続して行った。また、重刊本については、印刷の前後関係についての基礎研究(字体、行の配置など)を進めた,また同書巻末の「伊呂波半字竪相通」が『音曲玉淵集』によっていることをつきとめた。
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