2006 Fiscal Year Annual Research Report
語学と文学の「接点」から「共有」への深化:18世紀に辿る小説の言語を媒介として
Project/Area Number |
17520328
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
脇本 恭子 岡山大学, 教育学部, 助教授 (00258295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福永 信哲 岡山大学, 教育学部, 教授 (50116498)
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Keywords | 英語学 / 英文学 / 英語文献学 / 文体論 / 表現としての文法 / 文脈が語る言葉の奥行 / 音楽性と意味の相互依存 / 18・19世紀 |
Research Abstract |
平成18年度は、「語学と文学の「接点」から「共有」への深化:18世紀に辿る小説の言語を媒介として」を研究課題とする科学研究費の交付を受けた次年度である。研究代表者の脇本と研究分担者の福永は、上記の研究課題を具体的に検討するために、Emma(1815)の第二章冒頭部の一節を取り上げ、片や語学的観点から、片や文学的観点からの分析を行い、18世紀から19世紀への文学の橋渡しの役を担ったJane Austenの文体を吟味・考察した。また、脇本は、4月に広島大学で行われたコーパス学会のシンポジウムで口頭発表をし、それを「コーパスを利用した文学テクストの分析-Joseph Andrewsにおける発話の表出を中心として-」という論文の形にまとめた(2007年春に刊行の予定)。その他にも、18世紀の代表的な小説二作を取り上げ、主に語彙の分析を行っている。福永は、George Eliotの作品のテキストに、19世紀ヨーロッパの歴史的論争たる聖書批評が反映している相を人間観と語彙の両面に亘って検証した。これにより、科学と宗教の対話が文芸の世界にも浸透し、聖書の語彙が科学のイメージ・暗喩により新たな意味合いを帯びるに至ったことを論証した。
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Research Products
(6 results)