2005 Fiscal Year Annual Research Report
工学系実験レポート作成指導のための論理構造・語彙・表現の誤用分析および教材開発
Project/Area Number |
17520342
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
深尾 百合子 東京農工大学, 留学生センター, 教授 (90272640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 隆司 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (60015120)
松岡 正邦 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 教授 (40016671)
大野 弘幸 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 教授 (00176968)
馬場 眞知子 東京農工大学, 留学生センター, 助教授 (40313308)
加藤 由香里 東京農工大学, 留学生センター, 助教授 (90376848)
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Keywords | 科学技術日本語ライティング / 科学実験レポート / 科学技術文章の誤用分析 / 科学技術文章教材開発 / 科学技術文章作成指導 |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績は以下のとおりである。 工学系の学部2年次に開講された複数分野の基礎的な実験科目を選び,学生が書いたレポートを収集した。レポートは機械システム工学科,生命工学科,化学システム工学科の基礎実験についてのものであり,提出されたレポートの「考察」部分の文章をデータとして,すべて電子化した。当初の予定では,各学科20名のデータを電子化し試験的に分析する予定であったが,同じ実験のレポートを分析するために1学期間にその実験を行った学生全員についてデータを収集した。 上記のデータ収集以外に,基礎科学技術文章作成の指導法,日本人学生の文章の問題点を探るために,学部生を対象として「科学技術の文章」というタイトルで文章作成指導を工学部,農学部で各3回行った。履修者は工学部140名,農学部60名であった。学生に書かせた文章はすべて提出させ,添削し返却した。学生の承諾を得て,科学技術文章中では不適切な語彙・表現・論理構造等をこれらの文章データから抽出し,研究データとして蓄積した。この日本人学生の文章データとこれまでの留学生の文章データの分析から以下のような問題点が明らかになった。 1.「話し言葉」と「書き言葉」の区別がついていない 2.科学的に不適切な表現が認識されていない 3.留学生(大学院レベル)に比べて日本人学部生は論理構成力が弱い 4.「助詞」の間違いは留学生に多く見られるが,「は」に関しては日本人学生にも不適切使用が見られた。また,「接続詞」の不適切使用は共通して見られた。 この授業の試みは来年度,日本語教育学会で発表(採択済み)する予定である。
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