2005 Fiscal Year Annual Research Report
在日外国人の待遇行動の実態と日本語教材に関する総合的研究
Project/Area Number |
17520351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
山下 暁美 明海大学, 外国語学部, 助教授 (10245029)
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Keywords | 日系人 / ブラジル / 待遇表現 / 丁寧度 / 談話分析 / コミュニケーション / ストラテジー / 共生 |
Research Abstract |
日系人は外見上の特徴から日本人とみなされることが多く、他の外国人より一層きびしい日本の言語・文化・社会的規範にそった行動を期待される。その結果、日系人と日本人のコミュニケーションにおいて、さまざまな葛藤が生じている。本研究はそうした問題解決のために、実態を明らかにし、外国人と日本人の共生をめざした実践的な取り組みの一助とするのが目的である。 平成17年度については、日本在住歴が3年以上で、現時点で日本に住むことを考えている日系ブラジル人就労者のインタビューを行なった。具体的には浦安市在住の3名、群馬県太田市在住の2名である。それぞれ1時間程度のインタビューを実施した。浦安市在住の3名についてはすでに文字化作業を終え、談話分析・考察に入る状況にある。太田市在住の2名については文字化作業中である。 インフォーマントの在住歴は4年から18年と格差があるものの、ブラジル・ポルトガル語が日本語に混じることは非常に少なく、固有名詞にほぼ限られる。在住歴が長く、公民館の日本語教室に通っているからといって、敬語表現について丁寧度の高い表現を使いこなしているとは限らない。敬語使用の詳細については、後日の分析を待たなければならない。 日本語の必要性について、ご主人が日本人であることや、子供が日本語を話すから日本語が必要であると答えている。銀行に行ったときや医者にかかるとき特に日本語が必要であると答えている。このことからインフォーマントは通常の日本語会話より特定の場面における日本語の習得を急ぐ必要を訴えていることがわかった。
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