2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520356
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉岡 英幸 早稲田大学, 大学院・日本語教育研究科, 教授 (00092461)
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Keywords | 日本語教材 / 戦前 / 戦後 / 変遷 |
Research Abstract |
明治期から第二次大戦期における日本語教材及び日本語教授法に関する資料調査及び資料収集の作業を行った。特に今回は英語母語話者のための日本語教材や辞典及びロシア語母語話者のための日本語教材を重点的に調査するため、関係各地の大学図書館や公立図書館などをまわった。その結果、約15点の新しい資料を発見して収集した。これら新資料を含め、明治期の約120点の日本語教材を編纂方針や構成内容からタイプ別に分類作業を行った。その結果、従来の1.文典型教材、2.語法型教材、3.読解教材、4.会話教材、5.文字教材の5タイプ以外に作文教材も存在することがわかった。さらに、文典型教材や語法型教材については下位分類が必要であること、細かく見ると6つのタイプには入りきらない別のタイプの教材もあることがわかってきた。今後これらの分類を再検討し、新たな観点から整理しなおす作業を続けたいと思う。 また、同時に日本語教材の分析の方法についての研究文献がまったくなく、若手の研究者からその必要性が叫ばれており、明治期など過去の日本語教材を分析するための視点、フレームワークを検討する作業も始めた。[研究対照]1.構成(課の構成など)、2.提示形式と学習内容(学習項目、学習項昌の提示形式、その他)、3.技能(読む、書く、話す、聞く)、4.その他(出版年、出版社など)、[研究の視点]社会(言語政策、言語行動など)、教育(1.教授法など、2.教育環境、3.習得過程、4.編纂方針など)、言語(文法、音声、語漿、文宇など)である。これらの視点と研究対象を組み合わせて教材研究を行えば、教材の特徴や位置づけが可能になるはずである。こ教材研究のフレームワークをさらに検討し、学会に提案していくつもりである。
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