2008 Fiscal Year Annual Research Report
言語文化教育素材としてのテクスト種ウィット-その潜在的可能性に関する基盤的研究
Project/Area Number |
17520379
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
植田 康成 Hiroshima University, 大学院・文学研究科, 教授 (60009735)
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Keywords | 言語文化教育 / テクスト種ウィット / ランデスクンデ / ステレオタイプ / 絵によるウィット(カリカチュア) |
Research Abstract |
研究最終年度においても資料収集に力を注ぎつつ、資料の消化に努め、考察を行ってきた。 研究の中間報告として、2008年9月に「西日本言語学会」において、「テクスト種ウィットに見る異文化理解」と題する報告を行った。そしてまた、2008年10月、オーストリア、グラーツ市で開催された「子どものための哲学国際学会」において「Textsorte Witz-deutsch-japanisch interkulturell betrachtet」と題する報告を行った。そして1つの論文を公刊した(以下の「11.研究発表」参照)。また、本年度からは、提出する義務がなくなったが、当初から計画していたことでもあったので、冊1子体の「研究報告書」(A4、151頁)を作成して、希望の方面に配布した。 本研究課題の目的は、言語文化教育素材としてのテクスト種ウィットが有する潜在的可能性を追求することにあった。最終年度は、ウィットに見る異文化理解、とりわけ、文化的な規定を受けたステレオタイプについて考えた。その考察の一部を論文として公刊した。 言語文化教育素材としてのウィットの潜在的可能性は、尽きない。本研究においてはその一部を提示できたに過ぎないというのが、現時点での認識である。さらに、Bildwitz(絵によるウィット)としての政治的カリカチュアの文化間比較対照研究も視野に収める必要があろう。ウィットを手がかりに哲学を展開すること、そして、政治的ウィットに関する考察を展開すること、そういったテーマも近い将来の研究課題として残されている。このような認識を得た。 以上が、本年度における研究実績である。
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