2007 Fiscal Year Annual Research Report
教師の成長を寄与する外国語授業研究法の開発と重層的授業研究データベースの構築
Project/Area Number |
17520390
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
玉井 健 Kobe City University of Foreign Studies, 外国語学部, 教授 (20259641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 和弘 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (00149618)
吉田 達弘 兵庫教育大学, 言語系教育講座, 准教授 (10240293)
今井 裕之 兵庫教育大学, 言語系教育講座, 准教授 (80247759)
泉 恵美子 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (10388382)
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Keywords | 英語教育 / 教師教育 / 教育評価 / 教育調査法 / 人材開発・開発教育 / 教師論 |
Research Abstract |
平成19年は最終年度ということで、メンバーそれぞれが各自の授業研究についての理論的スタンスをもとに視覚データ提示の方法、およびその内容、形式を決定し、映像データとして具体化させていった。 本研究では、自律的な教師の成長に寄与する研究方法をDVDデータとして提示することに最大の意味がある。そのために、データ構成とその背景概念を具体的にする必要性が各個人に求められた。具体的な研究課題は次のようなものとなった。複層的な視点で分析を可能にするためには 1「どのようなデータを」 2「どのように提示すればよいか」 3「それはなぜか」 さらに、研究分担者が共有する目的として、次の二つを掲げた。 1「見る者に自由な解釈・議論を許すスペースを持たせた、教材的な性質を持つデータベース授業映像」 2「教師の授業観が変容していく過程を映し出すといった「過程」をとらえられる資料」 以上の共有課題は、本研究の映像データが模範的モデルの集まりでとはならないことを意味している。理論的な基盤としては、ヴィゴツキー、バフーチン、エンゲストロム、ラントルフに代表される社会文化理論、及びデューイの経験主義的学習理論、「理解」を第一義的に掲げるオールライトのExploratory practiceである。こうした非構造主義的なスタンスに立った上で、どのような授業研究データベースが可能かが各人によって具体化された。 本研究最終成果としてのデータベースは報告書と1枚のDVDに編集された。それは集録的モデル授業実践記録ではない。本授業研究データは様々な形をとる。教師だけでなく研究者も巻き込んでいるものもあれば、教師の成長・変容の記録であり教師自らが語るものでもある。教室内にとどまらない授業に関わる様々な文脈、時間的段階を、異なる角度から複層的に検証する過程で、多用な解釈が可能になってくるだろう。この映像の複層的な解釈こそが本研究課題の目指したデータベースの最大の特徴と言えるだろう。またその解釈は我々のものではなく、このデータベースを使用する者に委ねられている。映像そのものがひとつのナラティブ、語られ、解釈されるものとなると考えている。
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Research Products
(3 results)