2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520430
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
相良 英輔 島根大学, 教育学部, 教授 (70124071)
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Keywords | たたら / 製鉄 / 鞴(ふいご) / 砂鉄 / 技術 / 木炭 / 生産 / 鉄穴(かんな) |
Research Abstract |
今年度はビデオカメラを購入し、雲南市吉田町の鉄の歴史村地域振興事業団によって11月10日実施された「近代だたら操業」を記録することができた。今後もこのビデオカメラは、たたら関係の記録を撮るのに大いに活用できると期待している。また、持ち運びの便利な小型のノートパソコンを購入し、調査先でデジタルカメによる史料撮影後の史料保存と分析に大いに活用することができた。 出張・調査としては、まず石見地方としては、益田市美都町と浜田市金城町のたたらを調査した。特に金城町の歴史民俗資料館では多くのたたら史料を収集することができた。金城町に多くの小規模なたたらが存在していたことが確認でき、明治15年頃の山内の絵図10枚を写真撮影し、その実像に迫ることができた。 さらに、10月オランダ、ドイツ出張の予備調査として、長崎、鹿児島に出張し、シーボルト関係史料、幕末の反射炉関係史料を多数収集することができた。 また、石見関係史料だけでなく、出雲たたらの史料調査も継続して行った。特に、櫻井家、赫原家についてはすでに筆者の監修で500頁の報告書を出しているが、雲南市吉田町の田部家にっいてはまだ本格的な調査がなされておらず、本格的な調査に備えて、一部調査を実施した。この調査で明らかになったことも多い。 オランダ・ドイツ出張では、日本のたたらがヨーロッパにどれほど輸出されていたか、シーボルト関係史料にたたら関係史料が含まれていないか等を調査した。近世初期においては、平戸からオランダ東インド会社船によってインドネシヤや台湾に日本の鉄が輸出されていた。これについては今後も研究を継統していかねばならない。
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