2006 Fiscal Year Annual Research Report
近代日朝関係史再考-宮本小一の朝鮮論と宮本が進めた日朝修好条規(「江華島条約」)
Project/Area Number |
17520445
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
諸 洪一 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (60274403)
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Keywords | 宮本小一 / 江華島 / 日朝修好条規附録 / 通商章程 / 遊歩規程 / 公使館 / 幕臣 / 開国 |
Research Abstract |
平成18年度の調査は、昨年に引きつづき宮本小一関係および明治初期日朝関係資料群を調べると共に宮本および江華島事件・条約関係の実地踏査を行った。以下、各地域における主な調査の実績を示すと次の通りである。 1.韓国 江華島条約関係における朝鮮側の思惑を示している資料である『日使文字』『倭使日記』などをソウル大学校・奎蔵閣で調査し複写・収集した。 江戸時代以来初めて京城に入城した宮本小一理事官一行の宿舎として使用した「清水館」の跡を踏査・撮影した。現在は、トンミョン女子中学校、クムファ小学校が位置しているが、朝鮮王朝の正殿・慶福宮の裏山の「三角山」が望める場所である。 江華島事件で砲撃戦を交えた現場である草芝鎮および江華島条約締結の舞台となった演武堂跡を調査し撮影した。なお元韓国国史編纂委員長・李元淳氏、東北アジア歴史財団理事長・金容徳氏らのアドバイスを受けながら交流を図ることができた。 釜山市立図書館にも足を運び、『修好外貿易書類』(在釜山日本総領事館編「修好条規附録及貿易章程伺書」などを収録)などを調査し写真撮影した。 2.日本 長崎県対馬歴史民俗資料館および九州大学において近代日朝関係資料・地図資料などを調査収集した。 その他、『杜鵑啼血帖』(東大史料編纂所所蔵)で分かるように、宮本小一が特に強い関心と心血を注いだのは戊辰戦争の幕府軍側戦没者の弔いであったようである。函館の「碧血碑」などの戊辰戦争関係史跡を探訪し、これからも引き続き調査する必要があるように考える。 3.総括 以上の資料収集活動の傍ら昨年12月には九州史学会において一応の成果を報告し、『札幌学院大学人文学会紀要』81号に論文を掲載した。
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