2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520464
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上野 稔弘 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (10333907)
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Keywords | 中国 / 近現代 / 民族問題 / 公文書 / 辺疆 / 少数民族 |
Research Abstract |
平成17年度は公文書を中心とした関連資料の収集を重点的に進めた。国内においては、東京大学東洋文化研究所などで民国期の辺疆関係刊行物を検索・収集した。国外については、台湾で二回の現地調査を行い、国史館において蒋中正文物档案をはじめとする南京国民政府時代の公文書を閲覧した。ただし国史館所蔵資料のうち蒋中正文物档案など当時機密性が高かった文書については複写・撮影が認められないことから、重要と考えられる資料に絞ってPCによる書き写しを行った。このうち1930年代後半に当時の蒙藏委員会委員長呉忠信が蒋介石あてに提出した『辺政計劃草案』は、第二次大戦勃発前夜の中国辺疆の情勢分析と戦後に向けた構想を提示した大部の報告書で、資料的価値が極めて高いものである。これについては資料の概要と若干の分析を行った文章を執筆し、雑誌『東北アジア研究』に掲載した。台湾ではこのほか蒙藏委員会蒙藏文化センター、国家図書館、政治大学社会科学資料センター等で民国期の辺疆関連の新聞、雑誌、報告書などの資料を中心に検索・収集を行った。また大陸及び台湾では民国期の辺疆関係の档案資料集が最近相次ぎ刊行されたことからこれらを購入した。こうして収集した資料と、現地調査に先立って行ったインターネット等を活用した資料検索結果をもとに、民国期を中心とした辺疆関係資料についてのデータベース作成準備を行った。
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