2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520467
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 雄二郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70190923)
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Keywords | 日中関係 / 中国外交史 / 清朝史 / 中島雄 |
Research Abstract |
最終年度の本年度は,昨年に引き続き,海外研究協力者の孔祥吉氏とともに,中島雄『随使述作存稿』の分析を進めた。この間,中島雄の伝記資料を若干収集し,「中島雄と清朝史研究」と題する論文を執筆した。この論文はまもなく脱稿し,中国語と日本語で,それぞれ中国と日本の学術雑誌に投稿する予定である。本研究の主要な研究成果となるであろう。 これと同時に,清末の日中関係をめぐる資料を新たに発見し,それらについての論考二篇を完成させ,2006年11月に中山市(中国)で行われた国際学術会議で報告し,さらにそれを中国の学術誌に掲載した。すなわち「章太炎与支那亡国記念会史実考略」と「《孫逸仙演説」与《滅漢種策》」がこれである。 また,村田は2006年12月,客員教授として北京大学歴史学系に招かれた際,本研究テーマに関わる講義と講演を行った。講義は「日本の外交資料と中国近代史研究」と題して,主に北京大学の大学院生を対象に行われ,中国ではほとんど知られていない中島雄についても若干の紹介を試みた。講演は「清朝の『国語』問題と清末の政治外交」というタイトルで,中国語の原稿が中国の学術誌にまもなく掲載される予定である。 今後は上記論考「中島雄と清朝史研究」の成果をふまえて,『随使述作存稿』の資料的価値を中国の清朝史研究者に広く伝え,同書の影印版出版の可能性について,日中の研究者や出版関係者と協議してゆく所存である。
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