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2007 Fiscal Year Annual Research Report

刻文様式から見た中世北インドの王権と社会

Research Project

Project/Area Number 17520470
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

三田 昌彦  Nagoya University, 文学研究科, 助教 (30262827)

Keywordsインド / 中世史 / 碑文 / ラージプート / ラージャスターン / グシャラート / 史料学 / 王権
Research Abstract

本年度は、主にラージャスターンの刻文収集・整理、および中世初期の施与勅書様式と国制に関する論考、さらに南アジア中世形成期の概論の作成に費やした。その内容は以下の通りである。
・2月にラージャスターン南西部に点在する10-16世紀の寺院や遺跡を訪ね、刻文を中心に遺構の写真・ビデオの撮影を行った。100年近く前のD.R. Bhandarkarの調査報告をもとに、古寺院や遺跡を訪ねたが、当時と同じように保存されているとは限らず、それどころかすでに消滅してしまっていたり、現地の人々にも所在がわからなくなっているものも少なくなかった。しばしばジャイナ寺院では刻文を白地に赤ペンキで文字をなぞって読みやすくしようとしているが、そのほとんどが刻文を読めておらず、元の刻字を無視して処理されており、事実上史料の破壊となっている。それでもNarlaiのジャイナ刻文など、保存状態のよいものも少なくなかった。またラージャスターン南部の旧都Candravatiでは城壁跡が一部残っていた。この地の寺院群については70年代に1度調査報告書が出ているが、城塞については全く未調査であり、今後考古学調査が強く望まれる。
・9-10世紀プラティーハーラ朝の銅板施与勅書様式に関する論考を公表した。プラティーハーラ朝宗主の施与勅書は様式が固定しているが、そのサーマンタが発する勅書の様式はそのヒエラルキーにもとづいて異なっており、重層的王権構造の国制をよく反映している。勅書を王権の宣伝媒体と見なしているのは宗主ではなくサーマンタであること、勅書内容を碑文に顕彰する際に改編がなされることなど、国制上興味深い発見があった。
・『南アジア史1・2』において、古代から14世紀までの国家と社会の展開について、報告者なりの見解をまとめた。

  • Research Products

    (4 results)

All 2008 2007

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results)

  • [Journal Article] 施与勅書と王権:プラティーハーラ朝勅書様式に見えるサーマンタ体制2008

    • Author(s)
      三田昌彦
    • Journal Title

      名古屋大学文学部研究論集 161

      Pages: 21-43

  • [Journal Article] 序章 中世的世界から近世・近代へ2007

    • Author(s)
      小谷注之・三田昌彦・水島司
    • Journal Title

      小谷汪之編『南アジア史2』山川出版社

      Pages: 3-24

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 南アジアにおける中世的世界の形成2007

    • Author(s)
      三田昌彦
    • Journal Title

      小谷汪之編『南アジア史2』山川出版社

      Pages: 25-57

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] カナウジの帝国2007

    • Author(s)
      三田昌彦
    • Journal Title

      山崎元一・小西正捷編『南アジア史1』山川出版社

      Pages: 194-231

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

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