2006 Fiscal Year Annual Research Report
イギリス名誉革命体制の統治構造再編に関する基礎研究
Project/Area Number |
17520487
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
長谷川 貴彦 北海道大学, 文学研究科, 助教授 (70291226)
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Keywords | 福音主義 / 博愛主義 / 自由主義 / アソシエーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、福音主義とアソシエーションをキー概念としてイギリス名誉革命体制の統治構造の再編過程を考察することである.福音主義者は,1780年代以降、日曜学校運動,奴隷貿易廃止運動などの団体を設立することによって中央と地方の関係を再編していった。とりわけ,サポレオン戦争期に設立された「貧民の状態改善協会」は,福祉に関わる総合的情報収集団体として活動を行った.本研究は,この協会に焦点を当て、ナポレオン戦争期の統治構造の再編過程を分析しようと試みるものである。本年度は,前年より引き続き,この団体に関する史料の収集と分析に取り組んだ。2007年2月には、9日間ほど英国に滞在,ロンドンを中心とする史料調査を行った.とりわけ,マンチェスターでの史料調査は,ロンドンを本部とする博愛主義的団体が地方都市レベルでの博愛主義者と密接な交流を行っていたことを裏付ける証拠を発見することができ,きわめて有益なるものとなった。2007年は、奴隷貿易廃止200周年で福音主義者の活動が脚光を浴び再評価されているが、そうした顕彰史的アプローチとは異なる本研究のような学術的研究が今こそ求められているといえよう。その成果の一部は、2006年の進化経済学会北海道大会での企画セッション「制度進化への経済史的アプローチ フィランスロピーの進化」で「博愛主義的団体と社会改革19世紀初頭イングランドの国家と社会」と題する報告を行い、そこでの討論からも刺激を受けることになった。また9月には,政治経済学・経済史学会北海道部会でも報告「博愛主義団体と社会改革「貧民の状態改善協会」の諸活動1797-1817年」を行った。
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