2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17520488
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有光 秀行 東北大学, 大学院文学研究科, 助教授 (80253326)
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Keywords | 中世史 / イングランド史 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度にひきつづき、ダラム司教座聖堂図書室、スコットランド国立図書館、オックスフォード大学ボドレー図書館、およびロンドン大学歴史学研究所の所蔵史料、とくに修道士シメオン・オヴ・ダラムの作成した写本を閲覧して、中世のダラム司教座聖堂における写本作成活動の一端を調査した。 また国際研究交流は本年度の大きな成果の一つであった。すなわちまず、9月末にロンドン大学で開催された第5回日英歴史家会議に出席して、「1066年以降のブリテン島における「ネイション・アドレス」からみた人の移動と同化Migration and assimilation seen from the 'nation address' in post-1066 Britain」という標題で報告をおこなった。本研究でとりくんでいるダラムの事例は、この報告のひとつの核を構成した。この報告は、欧米でもこれまでおこなわれていなかった視角で11・12世紀のブリテン島史に新知見をもたらすものとして、高い評価を受けた。 さらに11月にはジョージタウン大学における「ハスキンズ・ソサエティ」総会に参加して、ここでも欧米の研究者たちとの交流を深めた。とくにここでおこなわれたポーリーン・スタッフォドの講演は、アングロ・サクソン時代後期におけるイングランド北部の独特な知的伝統に言及するもので、本研究代表者は現在設定している研究対象の時代の設定をこえて、さらに広い視野のもとで研究をすすめる展望をもつことができた。
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Research Products
(1 results)