2005 Fiscal Year Annual Research Report
出産の社会史--17〜18世紀フランスの産科医の進出と助産婦の制度化を中心に--
Project/Area Number |
17520489
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 まゆ帆 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60192697)
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Keywords | フランス近世・近代史 / 身体 / 医療 / 出産 / ジェンダー / 宗教 / アンシャン・レジーム |
Research Abstract |
本年度は、フランスの文書館、図書館を中心に、現地調査およびインターネット等を用いた文献検索を行い、次のような問いに関してデータを収集、データベースとしてまとめた。 (1)コタンタンの産科医モケ・ド・ラ・モットについて文献探索を行い、彼の内科医との論争を示す文献を調査した。その結果、ソルボンヌ大学の医学部長Ph.エッケが匿名で出版した『男が助産する不品行について』(1711年パリ国立図書館所蔵)への反論文書を複写の形で入手した。 (2)日本の江戸時代にもたらされたオランダ医学に関連する書物やこの時期のヨーロッパにおける薬草学や医学の書物を探索し、データベースとして整理した。また関連する研究書を入手した。薬草学などの古書に関しては高額のために入手できなかったが、必要なものについては次年度以降にあらためて調査を行い、可能な限り収集を続ける。 (3)一八世紀後半にロレーヌおよびアルザスで地方長官を務めていたアントワーヌ・ガレジエールの祖父の代からの家系の歴史および地方長官就任にいたる軌跡を、パリの国立文書館やアルザスの古文書館の文献を探索して調べ、具体的にたどってみた。その上で、彼のロレーヌ赴任後から助産婦養成学校開設に至る15年ほどの期間に、彼が何を見て、どんな模索を試みていたかを明らかにし、彼のロレーヌ赴任後のフランスへの統合にむけた意識からの現状認識、マダム・デュ・クードレのロレーヌ訪問と助産婦学校開設との関わりを、図書館や文書館で収集した史料を通じて明らかにした。
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Research Products
(1 results)