2007 Fiscal Year Annual Research Report
古代ギリシアにおける公共圏と民主政コード形成の比較文化史的研究
Project/Area Number |
17520496
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋場 弦 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (10212135)
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Keywords | ギリシア / 民主政 / アテナイ / 公共性 / ポリス / 紛争解決 / 訴訟 / 法 |
Research Abstract |
1 前年度に引き続き,古代ギリシア人の公共圏と民主政コードの歴史的形成を跡づける証拠の全体的把握に努めた。今年度は主として古典期アテナイにおける財政関係の史料を収集・解読することに務め、アテナイ市民が公職者にどのようなアカウンタビリティを要求していたかを考察することに務めた。それを通して、公金の流れと管理、それらとポリス公共圏との関わりを探究した。また公職者弾劾制度の一環としての贈収賄対抗諸制度に関してもひきつづき探究を続け、「なぜ賄賂がポリスにとって害悪なのか」という問いに対するアテナイ市民の意識の生成過程を追った。以上の研究作業のための基礎史料と研究文献を購入することに努め,また基礎史料の収集と整理のためコンピュータを購入し活用した。 2 前項の研究活動の一環として,9月に連合王国へ調査および学会参加のため出張した。まずダラム大学に同大学名誉教授P.J.Rhodesを訪ね、本研究課題についての意見交換を行った。ついで同大学で開催されている古代ギリシア法制史学会大会The Symposion 2007に出席し、各国からの研究者の研究報告を聞き、意見交換を行った。ついでロンドン大学古典学研究所にて、関係する史料・研究文献の収集と解読に努めた。 3 公共圏研究を行っている国内研究者との研究打ち合わせのため国内出張旅費を支出した。 4 3年間の研究成果を論文の形でまとめ、冊子体として印刷した。そのための印刷費を支出した。
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Research Products
(1 results)