2007 Fiscal Year Annual Research Report
人口減少期の地域社会における集落システムと生活機能の維持に関する地理学的研究
Project/Area Number |
17520534
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堤 研二 Osaka University, 文学研究科, 准教授 (20188593)
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Keywords | 人文地理学 / 人口減少 / 地域社会 / 生活機能 / ソーシャル=キャピタル |
Research Abstract |
本研究の目的は、広く人口減少期に突入してきている日本の地域社会スケールでの人口動向をふまえながら、集落単位での地域社会維持システムを点検し、ミクロなスケールでの地域政策・地域生活維持を検討する方向性を打ち出すことにある。平成19年度は、本研究の最終年度であった。これをふまえて、この年度には(1)地域生活機能維持に関するデータベースの完成、(2)調査や研究成果発表のための旅行、(3)研究成果の刊行の3つを研究計画の柱とした。(1)に関しては、関連データを収集して、当該データベースやその他のデータベースの合計3種類を作成した。また、これらのデジタルファイル形式での配布も可能な体制をとった。(2)に関しては、資料収集のための旅行や、国際研究集会での発表などを行った。とくに国際研究集会は国際地理学連合(International Geographical Union)の部会と過疎地域研究会(Marginal Areas Research Group)のワークショップとのジョイント開催であり、十数カ国の研究者らとの有意義な意見交換をすることもできた。この発表部分の成果は、本研究成果報告書とは別に過疎地域研究会によって後ほど刊行される予定である。(3)に関しては、研究成果から成る報告書を印刷・刊行し、あわせて、(1)で作成したデータベースを入力したCDを付録としてつけた。印刷部分の内容は、国際研究集会などで発表した英文から成る三つの章と、作成したデータベースをもとに分析した結果を記載した章などから構成されている。日本のみならず、全般的に人口や地域生活機能がシュリンクしていくなかで、本研究成果が提示する各種事例や、地域社会に関するソーシャル=キャピタルの重要性はますます大きなものになっていくと考えられる。
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